副業・兼業をやりたいときに、あなたの背中を押してくれる厚生労働省のガイドライン。
副業や兼業を行う理由は、
収入を増やしたい、今の仕事だけでは生活ができない、自分が活躍できる場を広げたい、様々な分野の人とつながりたい、時間とゆとりを持ちたい、現在の仕事で必要な能力を活用・向上させたい。など、人によってさまざまです。
また、副業、兼業の形態も、正社員、パート、アルバイト、会社役員、起業による自営業主など様々な形があると、厚生労働省の副業・兼業の促進に関わるガイドラインは述べています。
厚生労働省では今、働き方改革を踏まえた副業・兼業の普及促進を図っています。
副業・兼業について、企業や働く方が現行の法令のもとでどのような事項に留意すべきかをまとめたガイドラインも作成されています。
さらに、企業も働く方も安心して副業・兼業を行うことができるようルールを明確化するために、ガイドラインを改定しています。
ガイドラインへのリンクは「まとめ」にありますので、あとでご一読ください。
日本は副業したい人の味方だった。日本は副業推進国です。
それは本当ですか?。はい、副業・兼業に関する厚生労働省の考え方は迷いがなく明快です。
副業や兼業を行う理由は、収入を増やしたい、1つの仕事だけでは生活ができない、自分が活躍できる場を広げる、様々な分野の人とつながりができる、時間とゆとりがある、現在の仕事で必要な能力を活用・向上させるなどさまざまであり、また、副業、兼業の形態も、正社員、パート、アルバイト、会社役員、起業による自営業主など様々ある。
と、厚生労働省の副業・兼業の促進に関わるガイドラインは述べています。
この中に、副業を希望する人が考えているほとんどの働き方が網羅されているのではないでしょうか。
副業がばれたら困るとビクビクしなくても良いかもしれない。その時代がやってきている。
勤務する会社の就業規則が現在どのようになっているのかをまず確認する必要があります。
就業規則に副業禁止が明示されていると現在ではまだ少し困難かもしれませんが、それでも厚生労働省は就業規則の改定を促しています。
あなたが10人以上の労働者がいる会社で働いている場合には、労働基準法に基づいて就業規則が作成され、労働基準監督署に届けられなければならないので就業規則があるはずですから閲覧して確認しておいてください。
副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを止めることが許されるのは、
例えば
①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合に該当すると解されています。
労働者は、勤務時間外において、他の会社などの業務に従事することができる。とされている。
これは、厚生労働省が改訂したモデル就業規則の中にある条文です。
第14章 副業・兼業(副業・兼業)
1 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合④ 競業により、企業の利益を害する場合。
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ただし、本来休息に充てるべき日などに他の会社で働くのはNGです。
次の判例が参考として示されています。
自動車運転業務について、隔日勤務に就くタクシー運転手が非番日に会社に無断で輸出車の移送、船積み等をするアルバイトを行った事例において、「タクシー乗務の性質上、乗務前の休養が要請されること等の事情を考えると、本件アルバイトは就業規則により禁止された兼業に該当すると解するのが相当である」としたものがあることに留意が必要です(都タクシー事件 広島地裁決定昭和59年12月18日)。
また副業するのに勤務先と競合する会社を設立するのもNGです。
副業兼業する場合の労働者のメリットと留意点
労働者のメリット
①離職しないでも別の仕事に就くことが可能となりスキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
②本業の所得を活かして、自軍がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
③所得が増加する。
④本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。
留意点
①就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
②職務千円義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。
③1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険の適用がない場合があることに留意が必要。
副業兼業する場合の企業のメリットと留意点
メリット
①労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
②労働者の自立性・自主性を促すことができる。
③優秀な人材に獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
④労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
留意点
①必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務。秘密保持義務・競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要。
副業・兼業への注意点として
長時間労働、企業への労務提供上の支障や秘密の漏洩に注意しながら雇用されない働き方も含め、希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境整備することが重要であることと、心身の健康の確保ゆとりある生活の実現と観点から長時間労働にならないように留意して行われることが必要とし、企業の対応としては原則、副業・兼業を認める封戸とすることが適当と、副業・兼業の促進に関するガイドラインは述べています。
現実とのギャップ
いくら厚生労働省がサラリーマンの副業・兼業に積極的だといっても、勤務先の会社が副業・兼業禁止だったら実際には無理です。
申し出たら、それを拒否することは難しいかもしれませんが、担当部門がその知識がないとか、面倒だとかの理由で就業規則の兼業の禁止の記述、ただそれだけを前面に押し立てて申し出を却下するように思えます。
厚生労働省の文書に副業・兼業をどう取り扱うかの文書はあってもです。
厚生労働省は、従業員が副業・兼業のできる就業規則のモデルを示してその促進を行っていますが、ようやく緒についたところで、整備が進んでいる企業はまだ少ないのではないでしょうか。
ただ、副業が仮に就業規則に抵触はしたとても、判例や国の方向性を考え合わせると会社側が改めなければならないことだろと考えられます。
そのような状況なので、兼業・副業する場合には注意が必要な環境にあると思います。
就業規則を読んでその内容を知っておくことと、もし社労士の先生とお話ができる機会があったら相談されるのが良いと思います。
企業は従業員の副業・兼業に対しての対応を促されているところですから。
まとめ
1.テレワークは勤務形態のひとつです。副業するならば厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインに示されていることが基準になるのでそれを元に解説しました。
2.フリーランス、独立、企業、共同経営、コンサルタント、顧問、理事、監事などは管理において副業・兼業との労働時間の通算に該当しません。
3.副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを請願することが許されるのは、
①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合に該当すると解されています。
4.副業・兼業する場合は、副業・兼業に関する内容を会社に申告する必要があります。