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課長になって初めての会議報告でダメ出しされてしまったらすぐに見直すべき5つのポイント。その2(完)

課長になって初めての会議報告でダメ出しされてしまったらすぐに見直すべき5つのポイントとは、いままでと同じようなスタンスで仕事に取り組んでしまっていないか?を顧みること。つまり何も勉強せずに持ち前の器用さで出世してきたそのやり方進め方が通用しないステージにきてしまっていることに早く気がついて自分をアップデートする、ということになります。それを無理して5つに絞って書いてあります。ここではその3から5について書いています。

課長の責任範囲が会議での報告範囲になることはその1でイメージが掴めたと思います。

会議ではその責任範囲に含まれる部分は会議の目的によって異なりますが、

会社の職務権限規程や職務分掌規程を読むと自分の責任範囲がわかることと、報告の内容は数字で下支えすることで冗長的にならない、と書きました。ここでは残りの3つの点を書いていきます。

もくじ

3.もし会議が口頭報告だけの場合でも必ず定型の報告書式を作り準備して臨む。

4.役職者の信頼性は実務成果と会議報告での情報の落し込み方(印象)によって生まれる。

5.思い込みをなくして相手が求めている情報を外さないで報告する。

3.もし会議が口頭報告だけの場合でも必ず定型のMy報告書を作り準備して臨む。

報告を伴う会議の場合で、報告を口頭のみで行う連絡会などでは会議が進んでいくうちに、聞き手の頭の中でだんだんと混乱が始まります。それは、報告の全体像が言葉が増えるのと時間経過するに従って、聴いている人はこれまでの説明を忘れてしまうからです。そもそも何の話だったのか何を着地点として話しているのか、今は何を確認して頭に入れておけばよいのかが経過時間とともにが見失ってしまいます。

しかし、報告書の書式があれば、報告事項の状況や結論を書いてあることで、説明は報告書の説明になるので明確ですし深みを増します。そうなると聞き手に混乱は生まれません。会議参加者を混乱させない報告ができることは、あなたび頭の中が整理されているからそれが出来ることになります。

聞きやすくわかりやすく一発で理解できる内容の報告をいつも行うので当然評価が高くなり信頼が集まります。

誰でも出来る報告書式の作り方(報告書モデル)

総務、システム系

業務完了報告書

依頼部署 作業担当者 承認者

業務依頼内容

対応作業内容

作業期間

結果

評価

作業完了確認(依頼部署)

コメント

営業系

売上進捗状況報告書

部署名 担当部署 

商品別売上げ数量と金額

実績推移 計画 実績 進捗率 

得意先の状況など

課全体の訪問件数実績と推移

新規開拓状況 

競合他社の状況

問題点

だいたいこういった項目を報告することになりますが、部署の業務の内容に応じた書式を作る必要があります。

そして、使用するアプリケーションはエクセルをお勧めします。

数字の表が使いやすいからです。

ただ、表と表の組合せでは一方の表のセル幅(数字の桁数)によって、もう一つの表のセルが影響を受ける場合があるので、使いにくく思っている方もいると思いますが、カメラ機能で表示を調整すれば解決します。

エクセルのカメラ機能の使用例

カメラ機能を使うことで上下の表のセル幅が異なっても問題なく表示可能。

カメラ機能

この表では右下の表を選択した後、ツールバーのカメラのアイコンをクリックして配置したい場所を選んで再度クリックして貼り付けています。なお元表の数字を変更するとカメラを使って配置した表の数字も変更されます。

方法

カメラアイコンのツールバーへの配置方法

すべてのコマンドを選択して隠れているカメラアイコンを探します。

エクセルのオプションを使ってカメラ機能をツールバーに表示させる

見つかったら選択して真ん中にある追加ボタンを押して右側のツールバーのユーザー設定に移動させます。

これでツールバーに表示できます。

配置したい表を選択後、カメラのアイコンをクリックします。

次に、表を配置したい場所を選んでクリックすると表示されるので、あとは大きさを調整し、枠線の有無を調整すれば完了です。

報告の項目が決まったら表にして配置

報告項目を前月と当月の比較

計画の達成状況→数字とコメント

四半期ごとに推移表とグラフなどを配置する。 

コツ

A4裏表1枚以内にまとめること。

4.役職者の評価と信用は実務成果と会議報告の技量によって作られるのでその場を生かす。

評価管理職への昇進は会社の昇進昇格の規程にもよりますが、対象者は一定の職務経験を経た後に課長や部長への登格要件を満たしている旨人事から部門長に通知されます。そしてその部門長からの推薦と登格役職への昇進審査を経て内示へと進んでいきます。

その段階で社内の人事異動も調整され取締役会の決定を経て発令へと進みます。

ただ、この流れは会社の規程によっても異なりますしプロセスが違う場合もあるので一概には申せませんが、管理職においてはほぼ同様な流れになります。

部下を持つ管理職の課長と、部下を持たない管理職とでは役職の呼び名が違う場合があります。「調査役」や「マネージャー」と呼ぶ場合があります。

ラインの課長の責任は、部下を持つことも含めてより重い責任が課せられます。他の管理職と比べて給与はそれほど違わなくてもポジションの格が違うことからやはり周りの見る目が違いますし発言力もあります。

一方で、中途採用による社員構成で企業の成長速度を早めたいと考える会社では、能力、経験、資格による採用を行い人材の登用を行います。TOPが持つネットワークによる人材の採用や登用が活発で、ある日突然知らない人が会議に参加していることがあります。

当然ですがそういった人材の採用に当たっては役員への相談や意思決定を経て行われるのでルールに違反しているというわけではありません。

社歴が長い課長と、外部から今月採用し登用された同世代の課長とが、いきなり会議で同席する場合には専門分野が違えどもライバルでもあります。また今後の会社の方向性やあり方を身をもって経験、蓄積していくことになります。

こういった者同士、会議の場の中で競うのは先ずは成果です。それは数字や契約の締結などの実績で目に見えるものですが、残り半分は会議報告の内容になります。その表現と伝わりやすさを作り出す技量は、会議での報告者の頭脳のレベルと言っても差し支えありません。

情報の取捨選択や、わかりやすく整理された報告というものは企業の力になるし意思決定のスピードを下支えします。

会議は課長のあなたのステージです。

それ以外の場所で輝ける場所が他にありますか?そこしかないでしょう。あなたのステージは。もしかしたらお酒の席での自己主張ですか?。

力士が土俵外で相撲をとっても勝敗に全く関係ないように、あなたの土俵は会議、報告の場は相撲で言う取り組みに当たりますから相当に頑張る必要があります。

少しテンションが上がってしまいましたが両方を経験した私が思ったことは現場力つまり自社の技術や製品をお金に変える力を持ってないといずれ去って行くしか道は残されてないと感じています。特に特定の分野の能力を持っている人は、お金に変える力を身につけていないと、自分能力が陳腐化したときには潰しが利かず、転職するしか道は残されてないという厳しい現実があるることを見てきました。

5.思い込みをなくしてその会議が求めていることを報告する。

当たり前に思えるかも知れませんが、自分の早合点の思い込みが要求していることを曲解させている場合があります。

会議があなたに求めていることは、その会議が会社の目的を達成するために必要な結果や状況を自分が担当する領域について適切に報告行うことです。

目的のない会議はないので、そもそも「この会議の目的とは何か?」という問いを立てて考える必要があります。そしてその結果を自分の腹の底に据えておけば報告がブレることはありません。

営業分野では売上げと計画に対する進捗などは当然のことですし、その売上げの達成率に応じて必要になるかも知れない資金調達の方法は財務担当者が考えます。短期借り入れか当座借り越しを利用するかの判断を行い然るべき手続きを経て行動に移します。

研究開発分野では、新製品の投入時期と、商品ライフサイクルの終わる時期、陳腐化なする時期とを見計らい、設定された適切なタイミングに間に合わせられるのかなどの開発状況を報告します。

経営会議などではそういった会社の経営に直接影響する諸事情を持ち寄って方向付けを行い、その上で取締役会議に上程、決定して進んでいきます。

特に経営に関係する会議では、経営判断に必要な数字とその状況が求められます。

経営判断という意味合いは、特にお金に関する調整であり、足りるか足りないかを見極めながら不足した場合にはどのように調達するのか、またお金が足りて余った場合はどのように運用するのかなどの方向性を決定し担当部署に指示を出します。

経営会議では、それらの判断に必要な情報が各部門から報告されてないと意思決定が出来ません。

その意思決定に必要な報告を行われずに、自分勝手な報告がされたのでその報告に対して「ダメ出し」されたように思います。

新任で課長になる人であれば、頭は回り、「一を聞いて十を知る」という感度の高い人なのだろうと思われますが、案外そういったことが災いの原因だったりするので、落ち着いて人の言うことを最後まで聞いてもう一度頭の中で反復して何を求めているのかをしっかりと掴んで再確認する位に慎重にインプットする必要があります。

一番得意な部分で失敗してしまうと言うことはよくあることです。それは過剰な自信です。一を聞いて十を知ることはそれは素晴らしい能力ですが、敏感すぎて誤作動させては元も子もありません。

この場合は少し鈍感になって、もう一度確かめて、報告の内容を上司にもこれでよいか見て貰うくらいの慎重さでしばらく会議に臨むのがよいと思います。

3度続くと、もうその会議でのあなたの信用は失われてしまいますから慎重を期して下さい。

6.まとめ

1.参加する会議の目的を知り、それに沿って自分の考え方を方向付けることで会議と自分の目的を一致させる。

2.課長に昇進するまで自分を信じ過ぎてきたことが思い込みを助長させ、的の外れた報告の原因と考えられる部分のもあるので、会議の都度、要求されていることの確認を怠らず自分の中で要求事項と報告内容を摺り合わせする。

3.管理職ともなれば、何でも早くするという価値観とともに、相反する「石橋をたたいて渡る」慎重さもまた必要。

これまでは「よし」とされてきた「拙速」の落し穴に落ち込まないように注意を払う。

4.前回の記事では問いを立てることロジカルシンキングを紹介しましたが、テクニックを弄しても最初の時点で報告の方向性を間違っていたら無駄な時間を過ごしてしまうどころか信用まで失いかねません。

5.よい報告とは、相手が求めること、臨むことを叶えることなので、報告書の体裁が整っていなくてもある程度は許されます。この場合はこれまでに身についている「拙速」が生きてきます。

*拙速(せっそく)の意味:仕上がりが下手でも仕事は速いこと

 

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